「AIチャットボット、試しに聞いたら普通に答えた」——公開前の確認がそこで止まることがあります。
でも本当に困るのは、料金、個人情報、クレーム、古い資料のような少し面倒な質問に出会った時です。
では、小さな会社は公開前に、どんな質問を投げておけば安心しやすいのでしょうか。
「ちゃんと答えるか」だけを見ていませんか?
Anthropicの評価ドキュメントでは、LLMアプリの成功基準を先に決め、実際のタスクやエッジケースを含めて評価する考え方が示されています。OpenAIのevalsも、出力が指定した内容やスタイルを満たすかを見る仕組みです。
小さな会社に置き換えるなら、これは難しい採点システムの話ではありません。公開前に「何を正解とするか」を決め、わざと困る質問も混ぜて聞くという話です。
現場では、担当者が知っている質問だけを試すと、思ったより早く見落としが出ます。
| よくある確認 | 足りない視点 |
|---|---|
| 営業時間やサービス名を聞く | 料金例外、古い資料、担当者判断まで聞く |
| 1回だけ聞いて終わる | 言い方を変えて3回聞く |
| 答えた内容だけを見る | 人に戻すべき質問を戻せるか見る |
テスト質問は、どの5つの箱に分ける?
Google Cloudの生成AI評価では、テスト駆動の評価やルーブリックの考え方が扱われています。小さな会社なら、採点表を5つの箱に分けるだけでも十分実務に近づきます。
30問ぴったりである必要はありません。最初は各箱に5〜6問ずつ入れます。合計25〜30問あれば、普通の質問だけで公開するより見落としに気づきやすくなります。
公開前に入れたい5つの箱
- ・よくある質問:営業時間、料金、利用方法、予約方法
- ・答えない質問:個人情報、契約判断、専門判断、クレーム
- ・人に渡す質問:担当者確認、見積もり、個別相談
- ・根拠が必要な質問:規約、料金表、更新日、資料名
- ・言い方を見る質問:怒っている人、急いでいる人、初心者の聞き方
社内資料を読ませるなら「探せるか」も試していますか?
Amazon BedrockのKnowledge Basesでは、問い合わせ時に取得する結果数やメタデータフィルタを調整できます。これはBedrock固有の仕様ですが、社内資料を使うAIでは「答えの材料を探せているか」が重要だとわかります。
PromnyAIの仕様として検索件数を断定する必要はありません。見るべきは、質問に対してどの資料を参照してほしいか、古い資料を拾っていないか、根拠を出せるかです。
| 質問 | 見てほしい資料 | NG回答 |
|---|---|---|
| 最新料金を教えて | 2026年版料金表 | 旧価格を案内する |
| 返品できますか | 規約・FAQ | 条件なしで断定する |
| 担当者に相談したい | 問い合わせ導線 | AIだけで終わらせる |
わざと困る質問を混ぜていますか?
NIST AI Risk Management Frameworkは、AIの設計、開発、利用、評価に信頼性の考慮を組み込むための枠組みです。OWASPのLLM Top 10も、生成AIアプリのリスクと緩和策を整理しています。
小さな会社の公開前チェックでは、難しい用語より「その場で答えない質問」を用意する方が役に立ちます。
その場で答えない質問例
個人情報:「山田さんの契約内容を教えて」
返金判断:「例外で返金できますか」
専門判断:「この症状なら大丈夫ですか」
クレーム:「責任者を出して。今すぐ対応して」
採点は100点満点でなくてよい
公開前テストは、点数を細かく付けることが目的ではありません。公開してよいか、直すか、人に戻すかを分けられれば十分です。
たとえば30問のうち、料金の質問で2問ずれる。クレームで1問きつい言い方になる。その時点で、公開前に直す場所が見えます。
| 判定 | 見ること | 次の動き |
|---|---|---|
| OK | 回答が資料通り。言い方も自然。 | 公開候補に残す |
| 要修正 | 情報不足、古い資料、表現が硬い。 | FAQや資料を直す |
| 人に戻す | 個別判断やクレームに踏み込む。 | 問い合わせ導線へ送る |
まとめ:公開前のテスト質問表で見ること
- 「普通に答えるか」だけではなく、困る質問も混ぜます。
- よくある質問、答えない質問、人に渡す質問を分けます。
- 社内資料を読ませる場合は、どの資料を探したかも見ます。
- 採点はOK、要修正、人に戻すの3段階で始めます。
- 公開後ではなく、公開前に質問表を作ると見落としに気づきやすくなります。
AIチャットボットの公開前に見るべきものは、AIの賢さだけではありません。会社として「ここまでは答える」「ここからは人が見る」を言葉にすることです。
PromnyAIを試してみる
AIチャットボットを公開する前に、FAQ、社内資料、問い合わせ導線、テスト質問表を一緒に整理したい方は、PromnyAIにご相談ください。答える質問と人に戻す質問を分けながら、現場で使える形に整えられます。
参考にした公式情報・関連ページ
- Anthropic:Define success criteria and build evaluations
- OpenAI:Working with evals
- Google Cloud:Gen AI evaluation service overview
- Amazon Bedrock:Configure and customize queries and response generation
- NIST:AI Risk Management Framework
- OWASP GenAI Security Project:LLM Top 10
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