AIチャットボットの入力欄に何を書かせないか— 小さな会社の“相談前メモ”設計

2026-07-03

「サイトにAIチャットボットを置いたら、お客様が何を書き込むか分からない」——導入前によく出る不安です。

氏名、電話番号、契約内容、体調や家族の事情まで入ると、AIで答える前に扱い方で迷います。

では、チャットの最初の入力欄には、何を書いてよくて、何を書かせないべきなのでしょうか。

なぜ「何でも聞いてください」から始めないのか

チャットボットの入力欄に「何でもご相談ください」と置くと、質問の幅が一気に広がります。営業時間の確認も、契約の相談も、個人情報を含む問い合わせも、同じ箱に入ってきます。

総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン 第1.0版」では、AIサービスに個人情報や機密情報等を不適切に入力しないよう注意する考え方が示されています。個人情報保護委員会も、生成AIサービスへ個人情報を含むプロンプトを入力する場合の注意を出しています。

小さな会社で最初にやることは、長い規程を書くことではありません。入力欄の前で、お客様に「ここには何を書かないでほしいか」を短く伝えることです。

入力欄に入ってよい内容最初から避けたい内容
営業時間、サービス範囲、資料請求、公開FAQへの質問氏名、電話番号、契約番号、未公開の社内情報
「〇〇のサービスはありますか?」のような一般質問返金可否、例外対応、法律・医療・税務などの個別判断

最初に分けるのは「案内・確認・人に渡す」の3つ

入力欄の設計は、難しく考えすぎなくて大丈夫です。最初は3つに分けます。「AIがその場で案内してよい質問」「追加で状況確認が必要な質問」「最初から人に渡す質問」です。

この3分類は、公的資料に書かれた法律上の区分ではありません。現場で迷いを減らすための整理です。山田さんという仮のお客様が「前回の契約内容を見て、今回も同じ割引になりますか?」と書いたら、AIだけで答えず人へ渡す。そう決めておくためのメモです。

相談前メモの3分類

  • 案内で足りる:営業時間、場所、資料、公開FAQの範囲
  • 状況確認が必要:業種、利用人数、希望時期、資料請求の目的
  • 人に渡す:個人情報、契約判断、クレーム、専門判断、社内確認が必要な金額

入力欄の上に置く一文は、どこまで具体的に書くか

GoogleのGeminiアプリのプライバシーハブでは、機密データやレビュアーに見られたくない情報を入力しないよう案内しています。Anthropicのヘルプにも、データ利用はサービスや設定によって異なることが説明されています。

つまり、「AIだから大丈夫」とまとめず、使うサービスの規約やプライバシーポリシーを確認する必要があります。お客様向けの入力欄でも、同じ考え方を小さく出しておくと安心です。

edit_note入力欄の注意書き例

短い版:氏名・電話番号・契約番号など、個人が特定できる情報は入力しないでください。

少し丁寧な版:このチャットでは一般的なご案内を行います。個別の契約・料金・個人情報を含む内容は、担当者へおつなぎします。

問い合わせ前メモ版:ご相談内容は、サービス名・困っていること・希望時期の3点だけで構いません。詳しい個人情報は入力しないでください。

初期質問は「自由入力」だけにしていませんか?

最初から自由入力だけにすると、お客様は何を書けばよいか迷います。結果として、長い事情説明や個人情報が入りやすくなります。

先に選択肢を置くと、入力内容を絞れます。たとえば「料金を知りたい」「導入できる業種を知りたい」「資料がほしい」「担当者に相談したい」の4つです。その後で、自由入力は1行だけにします。

先に聞くことまだ聞かないこと
相談の種類、業種、希望時期氏名、電話番号、契約番号、細かい事情
公開情報で答えられる質問担当者判断が必要な例外条件

現場では、入力欄の文言を1行変えるだけで、届く相談の種類が変わります。「何でも」ではなく「サービス名・困りごと・希望時期」と書く。これだけでも、担当者が読めるメモに近づきます。

AIが答える前に、人へ戻す合図を決めていますか?

AI事業者ガイドラインには、関連する人からの問い合わせに対応する窓口を、合理的な範囲で設ける考え方も示されています。小さな会社なら、これは「AIで答えきれない時の連絡先をチャット内に置く」と考えると実装しやすくなります。

たとえば、返金、契約、クレーム、個人情報を含む照会は、人に渡す合図です。チャット内では「担当者が確認します」と伝え、問い合わせフォームや担当者連絡へつなぎます。

人へ戻す合図

  • ・名前、電話番号、住所、契約番号が出てきた
  • ・「返金できますか」「例外対応できますか」と聞かれた
  • ・クレーム、苦情、緊急性のある内容が含まれる
  • ・法律、医療、税務などの専門判断に近い
  • ・公開情報だけでは答えられない金額や納期を聞かれた

PromnyAIを試してみる前に、何を整理するか

PromnyAIでチャットボットを使う時も、回答内容だけを作るより、最初の質問と注意書きから整理したほうが運用しやすくなります。

AI学習データには公開してよい情報を入れる。ハブには社内の運用ルールをまとめる。人へ渡す条件は、担当者確認用のメモに分ける。この3つを分けると、あとから見直しやすくなります。

整理する場所入れる内容
AI学習データ公開FAQ、サービス説明、営業時間、資料案内
ハブ入力欄の注意書き、初期質問、人に戻す条件
人の確認契約、返金、クレーム、個人情報を含む相談

まとめ:入力欄は、AIの前に置く小さなガードレール

  • check_circleチャットボットは「何でも聞いてください」だけで始めないほうが運用しやすくなります。
  • check_circle入力欄には、個人情報や機密情報を書かない注意を短く置きます。
  • check_circle最初の分類は「案内・確認・人に渡す」の3つで十分です。
  • check_circle自由入力だけでなく、選択肢と1行メモを組み合わせると相談内容を絞れます。
  • check_circleAIで答えない条件を決めておくと、人への引き継ぎも落ち着きます。

AIに答えさせる内容を増やす前に、最初の入力欄を整える。小さな会社のチャットボット運用は、そこから静かに始められます。

rocket_launchPromnyAIを試してみる

AIチャットボットの回答内容だけでなく、最初の質問、注意書き、人への引き継ぎ条件まで整理したい方は、PromnyAIにご相談ください。自社情報と運用ルールを分けながら、現場で使えるチャットボット設計から始められます。